
★イベント終了レポート「ヤングアメリカンズ・ジャパンツアー2014春」 (2014年2月21日、22日、23日 開催)
2014年03月28日
☆当ホールのボランティアライターズの方によるレポートです☆
公演や講座の雰囲気や感想を、みなさまに発信する活動をしています。
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例年にない大雪のなごりで青葉の森公園にはまだ所々雪が残ってはいたが、梅の花が咲き始めよい香りが漂ってきた。そんな中、芸術ホールでは3日間の熱いイベントが行われた。「ヤングアメリカンズ・ジャパンツアー2014春」ヤングアメリカンズ(以下YAと略す)は、主にアメリカ出身の若者たちが世界中を「出張授業」して回り現地の子供たちとショーを作り上げる活動をしている。日本でも2006年から始まり、青葉の森芸術ホールでは昨年に続き2回目の開催である。3日間のワークショップと最終日の発表会を見学させてもらった。
・1日目 小学1年生から高校3年生まで約200名の子供たちの前で、約40名のYAたちが激しいビートの音楽にのって歌と踊りを披露。カッコいい。するとディレクターが、これは君たちが発表会でオープニングに踊る曲だよ、と事もなげに言うではないか。え?これを3日間で覚えて仕上げるの?子供たちもちょっと驚いてる様子。ディレクターは「大切なことは上手に踊ることじゃなくて、トライすること。この3日間でいつも自分がいるボックスから一歩飛び出してほしい。」と語りかけた。
子供たちは小3まで、小6まで、中高生の3グル―プに分かれ指導を受ける。YMたちはとにかく元気いっぱい。時に日本語を交え、明るくフレンドリーに面白く教えている。子供たちも必死だが、YMのパワーの前にちょっと引いた感じ。ノリはイマイチ…。
・2日目 ダンスサークルの練習。次々に音楽の流れる中、みんなで円陣を作り踊りたい人は手を挙げて円の中心に出て行って踊る。積極性が求められる。日本人の苦手とする分野か。今日もYAたちはハイテンションでノリノリ。それに比べると子供たちはおとなしめ。ダンスを習っているとおぼしき一部の子供たちがまず出てきた。次第に、そうではない子もYMたちに手を引かれ挑戦するが、まだちょっと恥ずかしそう。次にハッピネスという場面の練習。「幸せって何だろう?」をテーマに様々な有名な歌やダンスを取り入れた楽しいミュージカル仕立てだ。所々に子供たちがソロで歌ったり踊ったり演じたりする場面が用意されている。ほんの30秒位ではあるが、この大舞台でスポットライトを浴び何かするというのは勇気のいることだろう。思わず「ガンバレ!」と声援を送りたくなる。
・3日目 最後の練習のあと、まずはYMだけのステージ。その後いよいよ子供たちとYMのショータイム!あのオープニング曲。できるのかな?と思ったのは全くの杞憂であった。みんな、ひとりひとりがいきいきと躍動している。250名近くが舞台狭しとはじける圧巻である。続くハッピネスも全力投球。時にはセリフをつっかえたりすることもあったが、それでも頑張ってやりきった。その後も音楽シーンを10年ごとに区切って表現したり、ブロードウエイミュージカルのメドレーに挑戦したりと盛りだくさんの内容。YMの指示を待つ子は誰もいない。自分から動いている。自分の殻を破って新しい一歩を踏み出している。What a cool show!
3日間を通して見守ってきた保護者の方々の嬉しさも伝わってくる。まだワークショップに参加できない小さな弟妹たちが客席で楽しそうに一緒にスイングしている。
ステージ終了後のロビーは、子供たち、YMたち、家族やスタッフの方々で熱気に包まれていた。ひとつのことを成し遂げた達成感、昂揚感に満ちている。YMのメンバーは参加している子供たちの家庭にホームステイしているという。日本語、英語が飛び交い、お互い別れを惜しんでいる。
ディレクターは最後にこう締めくくった。「みんな心の中にそれぞれのストーリーをもっている。それを表現していこう!」
ボランティアライターズ 伊藤正子
感動、そして驚き!
「若者の素晴しさを音楽によって社会に伝えよう。」というヤングアメリカンスのショーと日本の子供達とのワークショップを観に行きました。ワークショップの会場では応募で集まった小中高校生200人が舞台の上でリズムに合わせ、ヤングアメリカンスのメンバー達と跳んだりはねたり思い思いの動きをしていました。激しいリズムと躍動する子供達で会場は熱気に満ち満ちていました。その中に気になる髪の長い女の子がいました。舞台中央で観客席に背をむけたまま全く動こうとしないのです。内気な性格を治そうと親御さんがこのイベントに応募したのかもしれません。メンバーの誰かが手を差し伸べても手を後ろに組んだままつなごうともしませんでした。
23日のショーには感動しました。メンバーはオーディションで全米から集まった18~25才の若者で歌と踊りに厳しい訓練を積んできたとか。体の中から湧き上がる歌声、魂に触れるような透明感のある歌声で懐かしい歌からミュージカルソングまで歌い、ダンスもタップダンスありヒップホップありでエネルギッシュなそれでいて爽やかなショーでした。そして次の子供達とのコラボレーションは感動を通り越して驚きでした。たった3日間の練習であれほどの事ができるとは!まる一時間200人の子供達が音楽に合わせ英語で歌い同じ振りで踊っているではありませんか。子供の能力の可能性には驚きました。そして、そこには楽しそうに踊っているあの髪の長い女の子の姿がありました。
ボランティアライターズ 篠塚緑
